中部商業vs酒田南 [59]
中部商000004020 6
酒田南00116003× 11
最初に断っておきますが、僕はこの試合を「名勝負」として取り上げるのではありません。
この試合は、僕が今まで見てきた沖縄代表の試合の中で、最もショックを受けた試合です。
この試合、選手の頑張りについては素直にたたえたいと思います。七回表の仲里選手の満塁
ホームラン、八回表、同じく仲里選手の追撃の2点タイムリー。それは、この試合を戦った選
手達の心の中に、確実に大切な何かを残したと思います。
ですが、残念ながら僕は外部の人間です。この試合を見て、僕は何の感慨も得ることができ
ませんでした。それどころか、大きなショックを受けました。
はっきり言って、「6−11」のスコアは善戦でも何でもありません。「完敗」「大敗」と
いっていい結果だと思います。
中部商業は、間違いなく県内でトップクラスの才能を集めたチームでした。そんなチームが、
甲子園の初戦、決して強豪とはいえない酒田南を相手に力負けを喫する。そのことに、僕は大きな
ショックを受けました。
一体、中部商業はなぜ負けたのでしょうか。
勝敗を分けた最初のポイントは二回表、一死三塁のチャンスを逃したことです。
その場面を振り返ります。先頭の新垣選手が二塁打で出塁。続く五番の平田選手が送りバント。一死
三塁となったところで、六番の阿波根選手を迎えました。
阿波根選手は、県大会では六番打者ながら、巨漢のパワーヒッターとして他校に恐れられていました。
決勝でも、沖水の宮里投手からタイムリーツーベースを放っています。この場面も、当然ヒッティングで
来るものと僕は思いました。
しかし予想は外れ、阿波根選手はバントの構えをします。おかしいなと思った、次の瞬間でした。
三塁に牽制球が送られ、三塁ランナーの新垣選手がタッチアウトになってしまいました。
この場面、ミスでチャンスを逃したことが後になって響いてくるのですが、問題は、なぜ単純に「強攻策」
を取らなかったのかということです。
県大会の準決勝、決勝の二試合で、中部商業はあまり小細工を使わず、強打で得点を挙げていました。同じ
ことを、なぜ甲子園でもしなかったのでしょうか。スクイズは、大事な場面で使うにはリスクのあるプレーです。
県大会でやっていないのなら尚更でしょう。
二回表一死三塁。この場面で、県大会では使っていない小技を仕掛けたこと自体がミスを生む要因だったように
思えてなりません。
その後、上原監督がアウトになったランナーを笑顔で迎えていたシーンが印象に残っています。監督の表情から
危機感が感じられないのが気掛かりでした。
笑顔で、ピンチを楽しみ、チャンスを楽しむ。それが中部商業野球部のモットーだということは理解できます。
しかしあのプレーは、この試合の勝敗を左右する大事な場面でした。
危機感を感じながら、選手を気落ちさせまいとしての配慮ならいいのですが、その時の上原監督の胸中は、残念
ながら不明です。
そして、試合を決定づけたのが、五回裏の一挙六失点です。
振り返ります。すでに0−2とリードされ、この回も先頭打者の出塁を許しました。しかし何とか二死を取り、二死
二塁。ここで、金城投手は四球を与えてしまい、二死一、二塁。そして、続く打者にセンター前に弾き返されてしまいました。
ここで、この試合における最大のミスが出ます。
中継に入った金城投手が三塁へ悪送球。カバーに入った二塁手も本塁へ悪送球し、バッターランナーも生還。
0−5。これで、ほぼ試合は決まったといっていいでしょう。
この後、勢いに乗った酒田南は猛攻を仕掛けます。四球で出塁し金城投手をマウンドから引きずり下ろすと、代わった二年生
の金城雄二投手にも二塁打、本塁打の連続長打で三点。
0−8。絶望的な点差が開いてしまいました。
五回裏、ミスを犯した選手を責めるつもりはありません。ただチームとして、なぜあのような大事な場面で致命的なミスが出たか、
それを検証する必要があると思います。
この回、少なくとも一失点くらいで乗り切っていれば、中部商業ほどの打力があれば逆転できたかもしれません。でも、それが
できなかった。チームは変わりましたが、今後に向けて大きな課題が残ったといえるのではないでしょうか。
結局、序盤の大量失点をはね返すことができず、中部商業はあっけなく姿を消しました。この試合を、「選手はよく頑張った」と
片付けるのは簡単なことです。しかし、中部商業が県内でトップクラスのチームであることを認めるからこそ、あえて言いたいと思います。
この試合は、皆さんにとっても、そして応援する僕達にとっても、非常に不本意な試合です。今後、二度とこのような試合をしないため
にも、なぜ負けたのかを検証し、日頃の練習で少しずつ修正していく作業が必要だと思います。たとえそれが、どんなに辛く苦しいことでも。
負け試合を美化することなく、正面から受け止めなければ、これ以上の成長はありえません。
本当に、チバリヨー、中部商業ナイン。そして、とにかく勝て、勝利を目指せ!
何しろ「沖縄の星」といわれ、後に沖縄から初めて巨人に入団した豊見城のエース・赤嶺賢勇投手が、原辰徳(元巨人)らがいた優勝候補筆頭の東海大相模を8回まで12三振を奪い無得点に抑え、1−0とリードしていながら9回裏2死からよもやの連打を浴び、逆転サヨナラ負けを喫したから。
あの試合は、ほぼ99%豊見城が勝つと誰もが信じていたし、この試合に勝てば一気に決勝まで行き、悲願の全国制覇を達成していたかもしれません。
「世紀の大逆転負け」のショックは、中部商−酒田南戦の比ではないですよ。
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ました。半年前のカキコになりますが、あの時の私は、試合に敗れた悔しさ
を、そのままぶつけて書いてしまいました。今となっては言い過ぎてしまっ
たのではないかと反省しています。ただ、それだけ中部商業の力を私も認め
ている、ということをご理解いただければと思っています。
あの甲子園での敗戦を引きずるように、中部商業の今のチームは、秋、そ
して春と満足な結果が得られませんでした。
しかし、今年の夏、見事に復活。二回戦で、沖縄水産を凄まじい打撃で破
った試合は、正直脱帽させられました。あれが、中部商業本来の力だと思い
ます。
準々決勝の相手は、奇しくも昨年の準決勝で破った宜野座です。この試合
こそ、双方にとって、本当のチーム力を試される試合になるのではないでし
ょうか。
好勝負を期待したいと思います。
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酒田南00116003× 11
最初に断っておきますが、僕はこの試合を「名勝負」として取り上げるのではありません。
この試合は、僕が今まで見てきた沖縄代表の試合の中で、最もショックを受けた試合です。
この試合、選手の頑張りについては素直にたたえたいと思います。七回表の仲里選手の満塁
ホームラン、八回表、同じく仲里選手の追撃の2点タイムリー。それは、この試合を戦った選
手達の心の中に、確実に大切な何かを残したと思います。
ですが、残念ながら僕は外部の人間です。この試合を見て、僕は何の感慨も得ることができ
ませんでした。それどころか、大きなショックを受けました。
はっきり言って、「6−11」のスコアは善戦でも何でもありません。「完敗」「大敗」と
いっていい結果だと思います。
中部商業は、間違いなく県内でトップクラスの才能を集めたチームでした。そんなチームが、
甲子園の初戦、決して強豪とはいえない酒田南を相手に力負けを喫する。そのことに、僕は大きな
ショックを受けました。
一体、中部商業はなぜ負けたのでしょうか。
勝敗を分けた最初のポイントは二回表、一死三塁のチャンスを逃したことです。
その場面を振り返ります。先頭の新垣選手が二塁打で出塁。続く五番の平田選手が送りバント。一死
三塁となったところで、六番の阿波根選手を迎えました。
阿波根選手は、県大会では六番打者ながら、巨漢のパワーヒッターとして他校に恐れられていました。
決勝でも、沖水の宮里投手からタイムリーツーベースを放っています。この場面も、当然ヒッティングで
来るものと僕は思いました。
しかし予想は外れ、阿波根選手はバントの構えをします。おかしいなと思った、次の瞬間でした。
三塁に牽制球が送られ、三塁ランナーの新垣選手がタッチアウトになってしまいました。
この場面、ミスでチャンスを逃したことが後になって響いてくるのですが、問題は、なぜ単純に「強攻策」
を取らなかったのかということです。
県大会の準決勝、決勝の二試合で、中部商業はあまり小細工を使わず、強打で得点を挙げていました。同じ
ことを、なぜ甲子園でもしなかったのでしょうか。スクイズは、大事な場面で使うにはリスクのあるプレーです。
県大会でやっていないのなら尚更でしょう。
二回表一死三塁。この場面で、県大会では使っていない小技を仕掛けたこと自体がミスを生む要因だったように
思えてなりません。
その後、上原監督がアウトになったランナーを笑顔で迎えていたシーンが印象に残っています。監督の表情から
危機感が感じられないのが気掛かりでした。
笑顔で、ピンチを楽しみ、チャンスを楽しむ。それが中部商業野球部のモットーだということは理解できます。
しかしあのプレーは、この試合の勝敗を左右する大事な場面でした。
危機感を感じながら、選手を気落ちさせまいとしての配慮ならいいのですが、その時の上原監督の胸中は、残念
ながら不明です。
そして、試合を決定づけたのが、五回裏の一挙六失点です。
振り返ります。すでに0−2とリードされ、この回も先頭打者の出塁を許しました。しかし何とか二死を取り、二死
二塁。ここで、金城投手は四球を与えてしまい、二死一、二塁。そして、続く打者にセンター前に弾き返されてしまいました。
ここで、この試合における最大のミスが出ます。
中継に入った金城投手が三塁へ悪送球。カバーに入った二塁手も本塁へ悪送球し、バッターランナーも生還。
0−5。これで、ほぼ試合は決まったといっていいでしょう。
この後、勢いに乗った酒田南は猛攻を仕掛けます。四球で出塁し金城投手をマウンドから引きずり下ろすと、代わった二年生
の金城雄二投手にも二塁打、本塁打の連続長打で三点。
0−8。絶望的な点差が開いてしまいました。
五回裏、ミスを犯した選手を責めるつもりはありません。ただチームとして、なぜあのような大事な場面で致命的なミスが出たか、
それを検証する必要があると思います。
この回、少なくとも一失点くらいで乗り切っていれば、中部商業ほどの打力があれば逆転できたかもしれません。でも、それが
できなかった。チームは変わりましたが、今後に向けて大きな課題が残ったといえるのではないでしょうか。
結局、序盤の大量失点をはね返すことができず、中部商業はあっけなく姿を消しました。この試合を、「選手はよく頑張った」と
片付けるのは簡単なことです。しかし、中部商業が県内でトップクラスのチームであることを認めるからこそ、あえて言いたいと思います。
この試合は、皆さんにとっても、そして応援する僕達にとっても、非常に不本意な試合です。今後、二度とこのような試合をしないため
にも、なぜ負けたのかを検証し、日頃の練習で少しずつ修正していく作業が必要だと思います。たとえそれが、どんなに辛く苦しいことでも。
負け試合を美化することなく、正面から受け止めなければ、これ以上の成長はありえません。
本当に、チバリヨー、中部商業ナイン。そして、とにかく勝て、勝利を目指せ!
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