琉大と企業が連携し育成 実践を通し経営参加型人材 [1]
琉球大学観光産業科学部のキャリア開発講座で、座学で学生の判断力を伸ばし、企業で実践研修を行う「STWT人材育成プラン」の取り組みが始まっている。「STWT」は「School To Work Transition」の略で、大学新卒者が就職活動で感じる社会人と学生時代とのギャップを埋めるため、大学と企業が連携し、その成長を一定期間支援する活動。大学と企業をつなぐ同プランを開発しているオーシャン21の酒元謙二社長は「学生は実践力を身に付け、企業は高度な人材育成や新たな分野の市場拡大につなげられる。双方に利点がある仕組み」と意欲を見せる。
「STWT人材育成プラン」では、CIS能力を習得し、起業家精神を身に付けた経営参加型学生の育成を目指す。CISとはコミュニケーション(交渉力)、イマジネーション(想像力)、センス(観察力)の略。酒元社長は「日本の教育ではKIT能力(知識、情報、技術)を重視してきた。しかし企業に必要なのはCIS能力やそれを生かした判断力のある人材だ」と強調する。
座学通しCIS能力
プランでは、大学生活の途中でギャップイヤーを設定。学生が1年間大学を休学し、企業内で勤務しながら座学を通してCIS能力を養う。学生は体験を通して社会人としての生活をイメージでき、多くの気付きを得ることができる。
一方、企業側にも、未来の社員候補を評価する機会が得られる、学生の発案が新事業開拓につながる可能性がある、など利点がある。酒元社長は「研修している学生の中に求める人材がいれば採用すればいい。従来の偏差値重視の採用システムを変え、定着率の向上にもつながると思う」と期待を込める。
1日カフェ成功
同プランの実践に向け、講座を受講している有志が昨年10月、琉球大学STWT研究会(玉城仁美代表)を結成。企業の協力を得てカフェ経営、離島の特産品を使った商品開発、ファストフードの企画立案の班に分かれ、経営に挑戦している。
カフェ経営班は9日、那覇市のミュージアム・カフェ「茶花」で1日カフェを開いた。集客のためにワークショップ「世界へ伝えたい沖縄」を企画。ワークショップは、英語で沖縄の文化を発信する本を出版した団体「ふるさとプロジェクト」に運営を依頼し、綿密な打ち合わせ、同店舗での接客研修、広報活動などを行った。
開店当日は、講師と受講生がお茶を飲みながら、言葉や文化を学ぶことについて語り合う場を実現。同研究会代表の玉城さん(法文学部総合社会システム学科4年)は「他の団体との調整など難しいこともあったが、何とか開店できた」とほっとした表情を見せ「今後は継続性を持たせていきたい」と語った。
「茶花」を経営しているアイ・ステーションの安和朝彦社長は、企業家を育てたいという同プランの趣旨に賛同し、営業時間終了後の店舗を提供するなど学生をサポートをしている。「企業が負担なく学生に挑戦の機会を与え、採用にもつなげられる。大変面白い取り組みだ」と評価した。
(与那覇裕子)
琉球新報⇒http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188060-storytopic-7.html
「STWT人材育成プラン」では、CIS能力を習得し、起業家精神を身に付けた経営参加型学生の育成を目指す。CISとはコミュニケーション(交渉力)、イマジネーション(想像力)、センス(観察力)の略。酒元社長は「日本の教育ではKIT能力(知識、情報、技術)を重視してきた。しかし企業に必要なのはCIS能力やそれを生かした判断力のある人材だ」と強調する。
座学通しCIS能力
プランでは、大学生活の途中でギャップイヤーを設定。学生が1年間大学を休学し、企業内で勤務しながら座学を通してCIS能力を養う。学生は体験を通して社会人としての生活をイメージでき、多くの気付きを得ることができる。
一方、企業側にも、未来の社員候補を評価する機会が得られる、学生の発案が新事業開拓につながる可能性がある、など利点がある。酒元社長は「研修している学生の中に求める人材がいれば採用すればいい。従来の偏差値重視の採用システムを変え、定着率の向上にもつながると思う」と期待を込める。
1日カフェ成功
同プランの実践に向け、講座を受講している有志が昨年10月、琉球大学STWT研究会(玉城仁美代表)を結成。企業の協力を得てカフェ経営、離島の特産品を使った商品開発、ファストフードの企画立案の班に分かれ、経営に挑戦している。
カフェ経営班は9日、那覇市のミュージアム・カフェ「茶花」で1日カフェを開いた。集客のためにワークショップ「世界へ伝えたい沖縄」を企画。ワークショップは、英語で沖縄の文化を発信する本を出版した団体「ふるさとプロジェクト」に運営を依頼し、綿密な打ち合わせ、同店舗での接客研修、広報活動などを行った。
開店当日は、講師と受講生がお茶を飲みながら、言葉や文化を学ぶことについて語り合う場を実現。同研究会代表の玉城さん(法文学部総合社会システム学科4年)は「他の団体との調整など難しいこともあったが、何とか開店できた」とほっとした表情を見せ「今後は継続性を持たせていきたい」と語った。
「茶花」を経営しているアイ・ステーションの安和朝彦社長は、企業家を育てたいという同プランの趣旨に賛同し、営業時間終了後の店舗を提供するなど学生をサポートをしている。「企業が負担なく学生に挑戦の機会を与え、採用にもつなげられる。大変面白い取り組みだ」と評価した。
(与那覇裕子)
琉球新報⇒http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188060-storytopic-7.html
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